目黒の集合住宅Meouro Complex Building
目黒駅至近に立地する2棟の集合住宅の計画である。
それぞれ別の敷地の別の建物でありながらも「2棟で1つの建物である」という事を強く意識しながら2棟の中央に中庭を配置し、その中庭がまちに開かれたスペースとなるような計画とした。また,2棟ともにコンクリート打放しを基本とし、素材やデザインを統一しながら閑静な住宅地、花房山にふさわしい表情を目指した。
これからの賃貸住宅として、時代の変化に追従できるフレキシビリティを持たせるために、SOHOを含む多様な住戸パターンを内包し、また住戸間の界壁・床スラブの一部を構造から外すことで、将来的に1-2階と4-5階の一部をメゾネットに、また隣り合う2住戸を1つにまとめる区画変更を可能とした。住環境の向上を図るべく、2住戸を1つの単位としてアクセスを設けることで、共用部の面積を限定すると共に住戸の独立性を高め、通風・採光面を2~3面確保した。住戸計画においては、「豊かな外部空間により適度な距離感が保たれ、その外部空間から自然の風と光を十分に取り入れる」というシンプルで根源的な心地よさを追求し、ひろがりのある内部空間を実現した。
photo by Shinichi Takeuchi (studio K2)