新山口駅南北自由通路Shin-Yamaguchi Sta. North-South Free Passage
新山口駅南北自由通路整備は、山口市が駅周辺で進めている「ターミナルパーク整備事業」の一環であり、北口駅前広場整備と共にその中核をなす。
南北自由通路は、これまで線路によって分断されていた駅の南北を結びつける24時間通行可能な歩行者専用通路であり、10m幅員の開放型となっている。SL、ディーゼル、電車、そして新幹線と4世代の鉄道車両を見ることができる鉄道のまちとしての魅力を最大限に活かした「みち」とすることを目指した。以前の構内通路では、利用する人々が周辺の山並や鉄道財産を意識することが難しかったため、新しい通路ではできるだけ視線が周囲に向くようなつくりとしている。
通路全体を彩る壁面緑化は、仏人アーティストのパトリックブラン氏によるもので、初期からの協働作業により、駅施設につながる通路でありながら、光や風、さらには植物の匂いまでをも体感できる他にはない空間が実現した。
床面には、ブロンズ鋳物やPC板、自然石舗装など、素朴な質感を持った材料を組合せて直下の線路形状を投影し、天井には膜天井を採用することで駅構内の金属パネルとは異なる柔らかな表情を与えている。
第60回 (2019年)BCS賞
第17回 屋上・壁面緑化技術コンクール国土交通大臣賞
2016年度 鉄道建築協会賞 入選
掲載誌
新建築|2015年12月号
ランドスケープデザイン105|2015年12月号
GA JAPAN 151|2018年3月号
鉄鋼技術|2019年7月号